心臓や血管などの病気に関して専門的な診療を行っております。

このような症状やお悩みがある方はご相談ください

• 胸が痛い、苦しい　胸を締めつけられる感じがする、胸に圧迫感がある
• 階段や坂道を上ると胸が苦しくなる、最近息切れがひどくなった
• 夜間や早朝に胸が痛む、苦しくなる
• 夜、横になって寝ると息苦しい
• 動悸がする、脈が速い、脈が遅い、脈が乱れたりとんだりする
• 血圧が高く、薬を服用してもなかなか下がらない
• 足のむくみが気になる　
• 健康診断で心電図の異常を指摘された
• 高血圧や糖尿病、LDL（悪玉）コレステロールが高くて動脈硬化が心配
• 家族や親類に心臓病の人がいて遺伝が心配　

日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもあります。気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。

高血圧

日本高血圧学会では、収縮期血圧（心臓が収縮したときの血圧）が140mmHg以上、または拡張期血圧（拡張したときの血圧）が90mmHg以上を高血圧としています。
高血圧のコントロール不良状態が続くと、脳や心臓の血管の動脈硬化が進展し、脳卒中（脳出血や脳梗塞）・心臓病・腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。
日本人の高血圧の約8～9割が本態性高血圧（原因をひとつに定めることのできない高血圧）で、遺伝的素因、食塩の過剰摂取、肥満など様々な要因が組み合わさって、主に中年以降に発症します。食生活（減塩）を中心とした生活習慣の改善が、予防・治療に非常に大切です。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール（悪玉コレステロール）や中性脂肪（トリグリセライド）が増えたり、HDLコレステロール（善玉コレステロール）が減ったりする状態のことをいいます。
この状態を放置していると、動脈硬化が徐々に進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった生命の危機に直結する心血管合併症をまねくリスクが高まります。
脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが関係しているといわれています。肥満の中でも、特に内臓脂肪型肥満は、糖尿病・高血圧の発症や動脈硬化の進展を惹き起こしやすいと言われており、より注意が必要です。また、遺伝性の「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる病態もあり、従来治療は困難でしたが、最近では新しい薬剤の開発によりコントロール可能になってきています。

労作性狭心症

心臓の冠動脈が動脈硬化などによって狭くなると、心筋（心臓壁を構成する筋肉）に送られる血液量が不足し、心筋が酸素不足（虚血）となります。このときの痛みが、狭心症の痛みです。
労作性狭心症は「階段を上ると胸が締めつけられるように痛くなる」、「重いものを持ち上げたり、坂道を歩いたりすると胸が苦しく痛む、安静にすると楽になる」という症状がみられます。
痛みの特徴としては、圧迫感や絞扼（こうやく）感が多く、主に前胸部、みぞおち、肩、頸などに生じます。稀に歯やのどが痛むケースもあります。痛みは多くの場合、数分で改善します。

安静時狭心症（冠攣縮（れんしゅく）性狭心症）

安静時狭心症は、夜間の睡眠中や明け方に、胸が苦しく押さえつけられたような発作が起こります。
多くの場合、冠動脈が一過性に痙攣（けいれん）を起こして収縮し、血流が一時的に途絶えるために生じると考えられています。そのため、冠攣縮性狭心症ともいいます。痛みの性質や部位などは労作性狭心症と同様です。冠動脈の攣縮（痙攣性の収縮）は、動脈硬化の進行過程にみられることもあります。
このような症状がある場合、早めに検査を受けることが大切です。

心筋梗塞

心筋梗塞とは、動脈硬化が進行して冠動脈にできていたプラーク（血液中のコレステロールや脂肪からできた粥状の物質）が冠動脈を塞いでしまい、一部の心筋の血流が完全に途絶し、一部の心筋が壊死した状態をいいます。突然、胸が焼けるように重苦しくなり、締め付けられ押しつぶされるような症状が現れます。
冷や汗が出たり、吐き気があったりすることもあります。この発作は長く続き数時間に及ぶこともあります。このような場合は、至急救急車を呼んでください。冠動脈内に詰まった血栓を、血栓溶解薬（tPAなど）で溶かす内科的治療法の他に、バルーンが先端についたカテーテル（細い管）を血管内に挿入し、詰まった部分を拡げたり、再閉塞を防ぐためにステント（筒状の金網）を血管内に留置したりするインターベンション治療（外科的治療法）があります。

心臓弁膜症

心臓弁膜症とは、心臓の弁に障害が起き、本来の機能が損なわれた状態をいいます。大きく分けて、弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全なために血流が逆流してしまう「閉鎖不全」があります。
息切れ、胸の痛みや違和感、めまい、意識を失う、疲れやすいなどの症状を認めることもありますが、心臓弁膜症に特有なものはありません。症状があっても加齢に伴う体の変化に似ていることから、見逃されがちです。
「健康診断などで心雑音が指摘された」、「心エコー検査で心臓弁の異常を指摘された」という場合には、早めに専門医を受診しましょう。

心不全

心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしていますが、心筋梗塞や心臓弁膜症、心筋炎など様々な心臓の病気によって、このポンプの働きに障害が生じている状態を心不全といいます。
「急性心不全」と「慢性心不全」に分けられ、急性心不全は、短期間で激しい呼吸困難などの症状が現れることから、重症の場合、命を失うこともあります。
一方、慢性心不全は、ちょっとした動作でも動悸や息切れがしたり、疲れやすくなったりします。咳や痰が止まらない、むくみが出るといった症状が現れることもあります。慢性心不全は生活習慣病（高血圧、脂質異常症、糖尿病など）との関連性が高く、高齢になるほど発症する方が増えてくる傾向があります。

閉塞性動脈硬化症

主に足の太い血管に起こる動脈硬化で、末梢動脈疾患とも呼ばれています。足の冷感やしびれ、歩行時の痛みなどの症状があり、重症化すると手足に潰瘍ができ壊死することもあります。特に50歳以上の男性に多い傾向があり、肥満・高血圧・糖尿病・喫煙などがリスクファクター（危険因子）です。
閉塞性動脈硬化症を発症した場合には、下肢動脈だけでなく全身の血管も動脈硬化が進んでいる可能性が高いので、冠動脈・脳血管・頸動脈などの精査が必要となります。
当院でも施行できる脈波検査は、閉塞性動脈硬化症のスクリーニング検査として有用です。

不整脈

不整脈は病名ではなく病態の総称で、心臓の電気的興奮のリズムが異常になった状態をいいます。大きく分けて、脈がとぶように感じる期外収縮、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈の3つがあります。
ある種の不整脈は、健康成人でも一般的なもので、治療の必要のないものも多くあります。一方、心不全や失神発作を起こしたり、脳梗塞を惹き起こしたりする不整脈もあります。その代表的なものに心房細動があります。心房細動はすぐに命を脅かすものではありませんが、心房の不規則な収縮により血栓（血液が凝固した塊）が生じ、致死的な脳梗塞を生じる可能性があります。また脈拍数が上昇し、心不全になることもあります。そのため心房細動は、放置することは危険で、医療的介入（薬物療法かアブレーション手術療法）が必須です。
不整脈がありながらご自身で気付かず、身体検査などではじめて不整脈を指摘される方もいます。不整脈を指摘されたときや、脈の不整、激しい動悸を感じたときは、専門医を受診しましょう。放置しておいてもよい不整脈なのか、危険な不整脈に発展するものかを、早期に正確に診断してもらい、適切な指導または治療を受けることが大切です。